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Ijapan Vol.01
Ijapan Vol.02
Ijapan Vol.03
About Perth〜オーストラリア・パースを知る〜
Link to Perth 〜パースのお役立ちスポット〜
▼ Back Number
最終回「不屈」
第7回「プロフェッショナル」
第6回「決断」
第5回「プレースタイル」
第4回「言葉」
第3回「見えない壁」
第2回「挑戦」
第1回「契約書」
Vol.175/2012/8
第4回「言葉」
山田は、パースに来た当初、英語の聞き取りに苦労した。ルーマニアでプレーしていた時に身に付けたルーマニア語で、偶然にも同国出身のチーム関係者がいたため、そのルーマニア語でコミュニケーションを取り、情報収集をした。徐々にパースの生活にも慣れ、英語が耳に入ってくるようになったが、思ったことを瞬時に伝えられるほどの英語力は、まだ持ち合わせていない。
6月9日、リーグ戦11戦目から「声が出ていなかった」といった理由で、リザーブチーム(二軍)でのプレーを強いられる。なぜ「声が出なかった」のかは、単純に英語が問題で、臆して発しなかったのかも知れない。それともパースに来て、当面の目標であった「トップチーム(一軍)でプレーをする」ことを叶えてしまい、挑戦者の気持ちが影を潜め、積極性を欠いたことで声が出なくなってしまったのかも知れない。実際、山田自身は、「がむしゃらさを欠いてしまった」といった自己評価を、後に下している。
6月16日、リーグ戦12戦目のリザーブチームの試合。小雨の降るピッチに立つ山田は、誰よりも大きな声で人一倍チームメートに指示を出していた。英単語だけの時もあれば、味方選手に詰め寄り、何やら説明らしきこともしていた。とっさに日本語がでる時もあった。
試合後、山田に「どんな指示を出していたのか?」と尋ねると「こうした方がいい、こうしてくれ、といったようなことです」と答えた。「劣勢の時は、なかなか伝わりづらいですけどね…」とも付け加えた。