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パースエクスプレスVol.229 2017年2月号

●「日本の曲を知ってほしい」深瀬 重雄さんのある日

日本での仕事に繋げられる英語を学びに、パースに来た。語学学校に通い、向上のためにコースもレベルアップさせ、少しずつ自分に負荷をかけて日々英語を学んでいる。そんな中、パース市の中心街でウクレレを演奏して、バスキングをしている日本人を見た。バンドを組むほどではなかったが、高校生の時、嗜む程度にギター弾いていた深瀬さん。“自分も”の思いが沸き、シェアハウス近くの公園で、量販店で買ったウクレレを弾きながら大声で日本の歌を歌った。ある時、度々見かけていた、その公園へ散歩で訪れている人から「シティでバスキングをすれば」と薦められる。その一言がきっかけで深瀬さんもパースの街中でバスキングを始め、今ではほぼ毎日、路上に立つ深瀬さんの1日を紹介します。
深瀬 重雄さん
深瀬 重雄さん

(ふかせ しげお)

32歳

コーヒー
7:30 am
朝食はあまり取らず、目覚めのコーヒーが日課となっている。
登校
8:00 am
ウクレレを持って、家を出る。通学は、公共交通を利用。

学校
9:00 pm
語学学校のクラスには世界各国から来た生徒たちがいて、英語だけでなく、生徒同士のコミュニケーションでその国々の文化も知ることができる。

先生
12:00 pm
授業で分からないことがあれば、休憩の時間に先生に質問することもしばしば。
準備
3:30 pm
英語学校の授業が終わり、そのままパースの街中の中心部に直行して、バスキングする深瀬さん。「大きな声で歌うので、最初は自分自身のストレス解消になりました。今はほぼ毎日、来ているので趣味みたいになっていますね」

バスキング
4:00 pm
通り掛かる人たちの自分の歌への反応を観察しながら、選曲もする深瀬さん。「主に、日本のロックンロールを歌っていますが、日本の歌ということで“上を向いて歩こうは歌える?”というリクエストをもらうことがありました」と話す深瀬さん。

通行人
当初は自分のために歌っていたが、「通り掛かる人に声をかけてもらったり、お金もだいぶもらうようになりました。自分が歌っている日本の歌を通り掛かる人の中で知っている人は、ほぼいないと思います。その日本の歌が何かを動かし、お金まで払ってくれるというのは、本当に嬉しいですね」と深瀬さん。

談笑
7:00 pm
自炊して、夕食後にはシェアメイトとリラックスした時間を過ごす。

ウクレレ
10:30 pm
歌う曲は定期的にアップデートする。通り掛かるローカルの人からリクエストももらうようになって、英語の歌も歌っている。コード譜と歌詞は手書き。「音楽は身近な存在でした。歌うのが好きなだけで、人に聞かせるような歌ではないと思っています。人前で歌うのも、知っている人の前だと恥ずかしくて歌えません」と話す深瀬さん。しかし、「日本の歌をオーストラリアの人に知ってもらい、好きになってほしいという気持ちがあります。だから、毎日、歌いに行くんだと思います」と話す深瀬さんの1日でした。