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パースエクスプレスVol.190 2013年11月号

●「店主のビジョンを料理で具現化する」 筒井 健治さんのある日

1995年の阪神・淡路大震災で全てを失った。日中は復興に身を投じ、日が暮れてからは割烹料理店で皿を洗った。父親が経営していた寿司屋も地震で失ったが、父親の作る寿司をパックに詰めて売ることもした。幼少の頃からその父親の背中を見てきたこともあり、自然と料理の世界に入った筒井さん。昔ながらの修行で年月を費やし、板に向かう姿勢を学ぶ。日本料理の料理人として厨房で約15年過ごした後、寿司職人として海外での就職口の話が舞い込んできた。勤務地のゴールドコーストでは約3年、その後はマレーシアで1年弱、寿司を握った。そしてこの度、パースで和食の料理人として迎え入れられた筒井さんの1日を紹介します。
筒井 健治さん
筒井 健治さん
(つつい けんじ)
39歳

コーヒーを飲む筒井さん
8:30am
朝起きて、コーヒーを飲む筒井さん。「料理の修行では、最初は“追い回し”と呼ばれ、まさに追い回されるように下働きをしました。地震で全てをなくしたので、選択の余地はなかったです」
スワン川沿いを徒歩で通学 0:30pm
公共交通のバスを使い、出勤する。

食材の買出しを店主と行く
1:00pm
食材の買出しを店主と行く。食材はどれも新鮮で、不自由なく調理できていると話す筒井さん。
仕込みを始める
3:00 pm
仕込みを始める。「畳1畳にそれぞれ川の字のように布団を敷き、料理長の横で寝泊りしながら料理の修行をしました。縦社会の厳しい環境でした」