Vol..124/2008/5
「神や仏はどこにいる?」

 ビルマ(ミャンマー)は、5月2日(金)から3日(土)にかけて南アジアを襲ったサイクロン「ナルギス」によって、多大な被害を受けた。ビルマ軍事政権(SPDC)の発表によると、サイクロン被害は死者2万8458人、不明者3万3416人に達するという。その一方、国連人道問題調整事務所は推計で、死者数6万3000〜10万人、行方不明者22万人、救援が必要な被災者は122万〜192万人と発表している(11日現在)。ビルマ軍事政権の数字と国連との推計では、大きな食い違いがある。だが、いずれにしろ、数万〜数十万人単位の、膨大な数の人が犠牲になっていることには間違いない。
 1月末にビルマ取材をいったん切り上げて日本に戻った私は、この数日間というもの、インターネットを通じて現地からの情報収集に勤しんでいる。というのも、被害が大きかったビルマ南西部のデルタ地帯(ボーガレーやミャウンミャ)には昨年、実際、足を踏み入れていたからである。被害情報を整理しながら、昨年、目にした町や村の様子を頭の中に思い描かざるを得ない。
 また、ほとんどのメディアは報じていないが、デルタ地帯にはビルマ民族の人も多いが、おそらくはビルマ民族と同じくらいの数のカレン民族の人も生活している。もちろん自然の脅威は民族の違いを選ぶはずなどない。だが、ここで民族間の差異を強調するつもりはないが、政府による今回の救援や支援の遅延は、民族の違いがあるのではないかと、いつも以上に穿った見方をしてしまう。また、同時に行われた、見せかけの新憲法草案への国民投票を優先させるため、緊急援助に力を入れなかったとも考えられる。

 
サイクロンで最も被害の大きかったミャウンミャ。肌を突き刺すような太陽の日差しの下、稲刈りに精を出す女性。顔には、ビルマ特有のおしろい「タナカ」を塗っている。
 


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