パースエクスプレスVol.115 2007年8月号

「分かち合いのルール」

 日本では、30歳代後半以降の多くは、水やお茶が商品として流通し始めたとき、何ともいいようのない違和感を持ったと思う。本来なら、売り買いできない自然の産物である水が、商品として目の前に現れたからである。ガスや電気と違って、公共の品である水はこれまで、例えばその供給に関しては、各地の地方公共団体がその任を担ってきた(もっとも当初感じていた、ペットボトルの水を手にした時の居心地の悪さは次第に消えていったが)。
 水とは本来、人類の誰もが共に分かち合うべきもので、個人が所有したり売り買いしたりするのには相応しくないものであった。空気や水、土地などはもともと「分割不可能であるがゆえに、私有になじまない」もので「自分のものであって、自分のものではない」モノであった。

 
夕暮れが近づき、井戸の水をくみ上げ水浴びを始める男の子。この同じ井戸の水は沸騰させ、飲み水としても利用される。貴重な井戸(水)のため、誰もがそれを大切に使う。

   


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