「今の幸せかね。そうだね。毎日3食、食べることが出来て、働きに出ることが出来ればいいことくらいかな。そりゃ昔は、家族と一緒に暮らしたい、お金が欲しい、そんなことを思った。今はそんなことはどうでもいいんだよ。」
 ふと、この一人のおばあさんの一生について考えてみた。人間は、自分が生まれた時代の制約から逃れることは出来ない。いつの時代に、どこに生まれ、どのような人と出会い、生を終えるか。個人の力で切り開くことが出来る部分と、そうでない部分ははっきりとある。人は、必ず生を終えなければならない。また、人は長生きすることだけが目的ではない。いつも死に向かって歩いているのだ。

   だからこそ、今どのように生きていくのか。そのことを常に念頭においておかねばならない。
  そう、有限なのである。人の生は。
  一人のおばあさんの出会いでそのことを再認識した。しかし、私は同時に、3年前に訪れたエルサルバドルのことを思い出した。停戦後のエルサルバドルの状況を追うべく、94年、96年、99年とごみ捨て場に足を運んだ。そこには、何年経っても「変わらぬ」現実があった。傍観者としてはそう思うしかなかった。
 農地改革が進まないために田舎では自活できない。合法的な土地の囲い込みが、多国籍企業や国によって続いてきた。
   


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