2010年11月13日（土）午後5時過ぎ、ビルマ（ミャンマー）の民主化の指導者アウンサンスーチー氏(65)が自宅軟禁状態から解放された。その日の夜、スーチー氏の自宅に通じる道路には、スーチー氏を支持する人びとの歓声で沸き返った。翌14日、スーチー氏が率いる国民民主連盟（NLD）党の本部前には、数万人の人びとで溢れかえった。実際、スーチー氏の解放の現場に立ち会って身をもって感じたことは、この日を境に、ビルマの町が明るくなったことだ。一人の人間の存在や動向が、社会の雰囲気を一変させうる、その事実を前に正直驚きを隠せなかった。それほどのカリスマ性をスーチー氏は持っていた。