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[最終節] 石田 博行

プレシーズンを目前とした2005年7月中旬、パースグローリーは地元のクラブチームと練習試合を行った。しかし、その先発メンバーの中に石田の名前はなかった。石田本人も「シーズン中、全試合レギュラーで出られるかどうかは分からない。しかし、出られなかった時のその状況を打破して、成長していきたい」と話していたが、活躍が期待され、好条件での契約内容にて入団した石田にとって、自分がレギュラーから外された事実はショックだったに違いない。筆者には「自分が輝けないのなら、他へ行くことも考えなければならない」とまでこぼしていた。その鬼気迫る表情は、信じていた自分を裏切られた自分への自信喪失のような思いだったのかもしれない。実際、開幕してからスタメンに定着したのは4試合目からだった。
インタビューの時、必ず自分の事を「俺」と言っていた石田。オブラートに包まず、余所行きの自分も内なる自分も使い分けず、むしろ荒削りな線の太ささえ感じさせる。確かに石田は、話し相手によってその「俺」を変えるようなことはなかった。インタビューの時でも、回りくどい言い回しを避け、直線的だった。