パースエクスプレスVol.135 2009年4月号

現在、独自にこの指紋スキャナーを使用している店がパース市内と近郊に計4件あるということだが、問題者の指紋データを共有するネットワーク接続は初めてとなる。かつて問題が起きたことのあるバーのマネージャーは、「反社会的行動をする人間がいる以上、パース内のすべてのバーやナイトクラブはこういった対策をすべきである」と述べているしかし、これは単に暴漢が入店できなくなるということだけであって、町から消えてしまうということではない。事実、暴力事件の多くは、路上で起きている。店に留まれない暴漢者はアルコールやドラッグを求めて路上を徘徊し、他人に危害を加えるケースが増えないとも限らないな。地区全体の安全を考えるなら、「臭いものに蓋」式だけの対策だけでなく、もっと根本的なものが必要だろう。警察ももっと取り締まりを強化し、暴力行為に対しては厳しいペナルティを科したほうがいい。警官を罵るなんて日常茶飯事、彼らに暴行を加える輩もいるから、もう怪物としか言い様がないな。
ところで、この指紋スキャナー、日本ではまだ民間レベルでの使用はほとんど見られない。成田空港の入国管理局では使用されているようだが、日本でこのスキャナーが民間の店舗などで使用され始めた時には、もはや治安がかなり悪化しているということだろう。

オーストラリアでのナイトライフを楽しんでみたいと思う日本人旅行者の気持ちが分からなくも無いが、現状から見て、十分注意してほしいな。あまり脅かしてもいけないが、今、パースのナイトスポットには危険がいっぱいなのだ。危険人物が少なからずいると思ったほうがいい。まあ入りたいというなら、これから増える指紋スキャナー導入の場所を選んだ方が、少しは安全かもしれないな。自分を守るということでは、危険を察する『勘』を身につけてほしい。「危ない」と感じたらすぐその場を脱出する行動力がないと、犯罪に巻き込まれてしまう。たまに被害にあった日本人のことを耳にするが、みな考えが甘いな。自分自身にもアルコールが入り、注意力が鈍った時は要注意だ。夜10時以降は危険度大。覚えておこう。

<筆者のプロフィール>
東京生まれの元祖ワーホリ。日本企業のエンジニアを辞職し、日豪で計3年間の修行の後、日本語教師となる。パース在住15年、日本語教師歴11年。ペンネーム「ブッシュウォーカー」。

 


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