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あなたの言いたいこと

Vol.200/2014/09

今号では、どれも“永住権”のことにふれた投稿が寄せられました。

「Vol.199の『最低!』を投稿された匿名希望さんへ」

 匿名希望さんのお気持ちお察しします。そのシェフがしたことは卑劣だし、私も同じ女性として彼が憎いです。でも、そんな人のせいで、永住権の夢を捨ててしまって、本当にいいのですか?

 私は、オーストラリアに来てもうすぐ4年になります。永住権を取得してから1年が経とうとしています。その間、もちろん良いことばかりではなく、嫌なこともありました。お金を騙し取られたり、法律からうまく逃げられる方法を知っている仕事先のオーナーに給料を支払ってもらえなかったり、卑劣な男にセックスを強制されそうになったり。お恥ずかしいですが、でもこれはすべて自分の無知さ、不注意さから起こったことであり、また同時に全て経験だった、とも今では思っています。ここでは、日本では起こらないことが、多々起きます。人も平気で嘘をつきます。酔っ払いも、喧嘩も多いし、カスタマーサービスなんて日本の足元にも及びません。でも、そんなマイナスのイメージを塗り替えるものがオーストラリアにはあったからこそ、私は最後まで諦めず、必死でスポンサー先を探し、永住権を取得することができました。

 あなたが決断したことに後悔をしないのであれば、いいのです。あなたは若いし、帰国してからもできることが、まだまだたくさんあると思います。でも、他にも必死で永住権を取ろうとがんばっている友人たちを見ている中、そんなに早く決断をしてしまって、なんか少し、もったいないなと思ってしまったのが正直な気持ちです。もう帰国されているかもしれませんが、いい意味でも悪い意味でも、匿名希望さんにとってオーストラリアで何か学べたことがあればと思います。

<投稿者>Y.I 30歳 女性


「永住権」

 勘違いしている人が多いので言わせて下さい。「永住権」を取得すること自体は大したことではなく、取得後が大切であって、取得で満足している人が多いと思います。

 確かに、取得するのには時間もお金もかかり、大変です。私も経験しました。準備から含めれば5年もかかりました。お金もかかりました。貯金は全部使いきり、働きながら資金を稼ぎ、それでも足りなかったので親からも借りました。もう一度同じことをやれ、と言われても、絶対にできないと思います。いや、やりたくはありません。精神的にもきつかったです。取得するまで将来が不安で、プランも立てることができず、どこか一人前でないような自分が歯がゆくて、心ここにあらずでした。

 そんな思いをして取得した「永住権」なので、取得した喜びを味わうことはもちろん結構だと思います。ただ、取得はあくまでも通過点で、そこからが勝負だと思います。「永住権」を取得して、オーストラリアで何をするのか、そう考えるなら、やっとスタート地点に立てたということです。つまり、まだゼロの段階だということです。

 自分の友だちが今年の1月に「永住権」を取得しました。彼も苦労して、取得しました。ただ、今の彼の生活は誉められたものではありません。取得することに全力を使い、取得後は抜け殻のようになってしまいました。失業保険をもらい、アルコールを切らすことなく、薬にも手を出しています。どうやら、日本の両親からお金も送ってもらっているみたいです。ある時、「海外で生活している息子がいる、ということで親にとっては自慢の息子なんだ、俺は」と話していました。

 この友だちは、最悪のケースだと思います(その友だちがこれを読んで改心してくればいいんだけど)。ただ、ここまでひどくないにしろ、「永住権」を取得したことで満足して、人生が終わっているような人がいっぱいいると思います。そんな人に言いたいです。「永住権」を取得したからと言って、決してあなたに箔がついたわけではありません。容姿も変わりません。周りからのあなたへの態度も変わらないでしょう。向上心をもって生活すべきです。だらしない事もすべきでありません。「永住権」なんて、ただの許可書に過ぎません。

<投稿者>ヒロ 35歳 男性