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あなたの言いたいこと
Vol.147/2010/4

今回は、日本に残したご両親についての投稿です。

『親の面倒をみる』

オーストラリア人の主人は日本が大好き。私が日本人だからというわけではなく、純粋に日本に興味があるみたい。日本で知り合い、日本で結婚し、日本で生活していた。子どもにも恵まれ、忙しいながらにも充実していた日々を送っていた。上の子が小学校に上がろうとした頃、ふと「子どもの教育はオーストラリアの方が良いのかも…」と思い、主人の生まれ育った街、パースに3年ほど前から移り住む。パースでの生活はとっても楽しい。子どもたちのためと言いながらも、一番楽しんでいたのは、私かも。

こちらに住み始めて1年ぐらいした頃、母が病で床に伏した。昔から病気がちな母ではあったけど、今回は違った。私だけ急いで日本に帰り、看病したが、母は病に勝てず、帰らぬ人になった。母のあっけない死にとても動揺し、自責の念にかられた。親孝行らしきことを全然してこなかった自分をどれだけ責めたことか。 しかし、それだけではなかった。なぜ、悪いことはこうも重なるのか…。昨年末、日本にいる姉から電話が。「お父さんが倒れた」と。母を亡くしたショックで、父が大変弱っていることは知っていた。父はまだ定年をちょっと過ぎたぐらいの年齢なのに、一気に老け込んでしまっていた。母の死で、生きる気力のようなものを根こそぎ失った父を見るのは、本当につらかった。姉は北海道に嫁ぎ、父は東京。

主人に相談した。父の面倒を誰が見るのか。姉にも姉の生活があり、私は私でオーストラリア。主人も「日本に戻ろうか?」って言ってくれるけど、子ども2人はやっとこちらの生活に慣れ始めたばかり。2人とも、パースが大好き、って。正直、「親の面倒」という問題(問題じゃないけど)は、もっともっと先の話だと思っていた。10年、いや20年も先のことになるんじゃないかと。今は、姉が父のそばにいてくれているけど、北海道に戻らなきゃならなくなるのは、時間の問題。今、私にできることって、何なのか…。

<投稿者>匿名希望 女性/31歳