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デュアルライフ&スイマーが 世界の頂点を狙う

デュアルライフ&スイマーが 世界の頂点を狙う by平井康翔

Vol.208/2015/05

デュアル・ライフ&スイマーが 世界の頂点を狙う


本誌パースエクスプレスでも以前紹介した(Vol.193、Vol.205)、水泳日本代表の平井康翔選手。選手活動の拠点をオーストラリアに置き、2016年のブラジル・リオデジャネイロ・オリンピックでメダル獲得への道のりを、今月号から新連載として紹介します。


第1回

「パースエクスプレスの読者の皆様へ」

 はじめまして。オープンウォーター・スイマー(以下OWS)の平井康翔です。この度は縁あって、こうして本誌パースエクスプレスの誌面でコラムを書くことになりました。
自分は2013年の4月から約1年間、パースを拠点にトレーニングをしていました。練習拠点は、UWA SwimmingとCity of Perthというスイミングチームに所属していました。パースにいた頃は、初めての海外生活で、英語もあまり話せず、辛いことが多かった記憶があります。けれど、あの期間を乗り越えて、今はゴールドコーストに拠点を変えて生活していますが、パースでの経験が全てに活きていると実感しています。なんでもそうですが、どんなことも自分で見て、体験しないと本当のことはわからないものです。行きたいところがあれば、行くべきだし、会いたい人がいれば会いに行くべきだし、挑戦したいことがあれば、全力で挑戦するべきだと僕は考えています。
理由は、人生は短いからです。僕は、大学を卒業してから、オーストラリアをベースに海外試合を転戦している生活を送っています。その中で、いろんな国や街に行けば行くほど、世界というフィールドに対して、人の一生はあまりにも短い、人生を懸けてでも世界の3分の1も知ること、感じることができないんだろうと思います。なので、僕は自分の人生で成し遂げたいことをなるべく早く見つけて、そこに対して取り組むべきだと考えています。少し自己紹介から反れてしまいましたが、今回は僕の取り組んでいるOWS競技についてご紹介させて頂きます。

 OWSとは、海や湖、川をフィールドに行われる水泳の長距離競技で、2008年の北京オリンピックからオリンピック正式種目に採用されました。オリンピックには、世界でたった25人しか出場できないというとても狭き門となっています。なので、日本で1番になればオリンピックに出場できるわけではなく、世界中のスイマー達が25枠を争います。選考方法としては、オリンピック前年に開催される世界選手権で上位10名に出場権が与えられ、残りの15枠をオリンピック2ヶ月前に開催される最終選考会で争います。僕は、前回この最終選考会で6位に入り、日本人で初めて、この競技のオリンピック出場権を獲得し、ロンドン・オリンピックに出場して、15位という成績をおさめました。
また、どうして僕がオーストラリアを拠点にしようと思ったかというと、日本ではまだまだOWS競技はポピュラーなスポーツではありません。オーストラリアでは夏になれば、毎週どこかのビーチで試合が開催されており、競技人口も多く、認知度も日本に比べて高いです。なので、大学を卒業して、もし競技を続けることがあれば、オーストラリアで競技に取り組もうと決めていて、大学卒業後にこちらに来ました。
さて、これからオーストラリアでの生活について、海外を転戦している生活について、その他、オリンピックでメダル獲得を目指す25歳の若者の近況などを、誌面を通じて皆様に発信できればと思います。それでは、また来月!これから宜しくお願いします!

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