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第158回「温かい医者になりたい」ごとう ひろみちさんのある日

今月の人

ごとう ひろみちさん

日本で高校を一ヶ月で中退した後、独学で一年半後には大学入学資格検定を合格していた。しかし日本の大学には行かず、一年間パースに語学留学をする。その後、渡米して大学受験をするも治安を考慮してパースに戻り、西オーストラリア大学で神経科学と遺伝学を学ぶ。卒業後は日本に帰国し、研究所で脳科学の研究員として働く。働きながら2009年と2011年のある2回のボランティアを経験し、「その時、医者になろうと決心しました」と話すごとうさんは、働きながらオーストラリアの大学の医学部入学を目指す。そして、一度卒業した西オーストラリア大学の医学部入試に合格し、パースへ移住。現在、医学部4年生として毎日研修を行うごとうさんの一日を紹介します。

 


5:30 am

医学部4年生、最終学年のごとうさんは脳神経外科で研修の日々を送る。研修の日々は、朝が早い。

 


11:00 am

同級生たちと研修先の病院で。「2009年、マザー・テレサさんが設立した『死を待つ人々の家』でボランティアをするためインドへ旅行をしました。そこでの経験、そして2011年の東日本大震災の復興ボランティアで、“苦しむ人の役に立ちたい”と思ったのが医者になるとう思ったきっかけです」と話すごとうさん。

 


3:30 pm

その日の研修が終わり、大学へ移動して勉強をする。「高校英語にもついていけず、英語の才能の欠けらもなかった自分がオーストラリアの医学部に入学することができたのは“人生を変える英語勉強法”を見つけたからです」と語るごとうさんは、起業してビジネスとしてその勉強法を紹介するといった一面ももつ。

 


5:00 pm

大学のキャンパスにある「芝の上でゴロゴロしながら読書することが大好きなんです」と話すごとうさんだが、ここまでの道のりは平坦ではなく、実は医学部へは3度受験し、全て合格していたがビザの関係で長いこと日本で待たされた経験がある。現役医学生としてブログ「高校中退から豪州医学部へ」にリアルな学生生活などを綴っているごとうさん。

 


5:30 pm

同じ医者を目指すクラスメートと場所をカフェに移し、勉強をする。2017年は大学を休学して、“日本人の英語を変える、ノンネイティブの英語を変える”という夢を叶えるため日本で、英語コンサルティングやセミナー開催、電子書籍『豪州医学部受験必勝法』を出版した。

 


6:30 pm

語学留学のため最初にパースへ来た時にお世話になったホームステイ先でBBQ。かれこれ20年来の付き合いとなる。「今年2018年の10月の試験で合格すれば医学部を卒業でき、晴れて医者となります。卒業して、実際に医者になってからの方が大変なことが多いと思いますが、“温かい医者になる”といった夢に向けて頑張ります」と話すごとうさんの一日でした。

 


豪州で医者になるまでの道のり


遠隔地医療の研修を実際に飛行機で遠隔地に行っておこなうごとうさん。医学部入学がオーストラリアの教育システム編成時期と重なり、2014年の入学初年度の前の2013年に約一年間、エアーズロックでツアーガイドの仕事をしていたこともある。

 

大学のクラスメートとタッチラグビーのチームを作り、忙しい勉強や研修の合間に息抜きで、汗をかく。

 

2016年、パースから北東へ約2,200kmのブルームという町で奨学金をもらいながらへき地医療を学んだ。その模様が地元紙に取りあげられた。「医学において、医療現場におけるコミュニケーション技能がとても大切になります。しかし、ネイティブの同級生と表現の幅や奥ゆかしさを競うことはぜず、とにかく患者さんとコミュニケーションをとることが一番大事なんだと自分に言い聞かせ、日々の研修を行っています」と話すごとうさん。

 

大学で知り合った友人と親交を深め、その友人の娘のGodfather(代父)となっているごとうさん。「後見人的な存在としてその娘とは、生涯にわたり関わりを続けていこうと思っています。ただ、本当に立派に育ってほしいので、自分は彼女に結構厳しいんですよ」と笑顔で話すごとうさんでした。

 







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