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サッカー豪州女子代表がパースで初試合


 
2018年3月26日、豪州女子サッカー代表がパースで「2018 AFC女子アジアカップ(※)」に向けたフレンドリーマッチのためタイ女子サッカー代表を迎え入れて試合を行った。
 

Australia Women
5-0
Thailand Women

 
得点者(豪州女子代表)
6分 Alexandra Chidia、 
42分 Lisa De Vanna 
44分 Chloe Logarzo
52分 Lisa De Vanna 
72分 Larissa Crummer
 

壮行試合ではあったが、パースでは初お目見えのマチルダ(Matilda/豪州女子サッカー代表の愛称)を一目観ようと平日の雨の中、7,549もの観客がスタジアムに詰めかけた。

FIFA女子世界ランキング(2018年3月23日付け)では、豪州女子代表は6位で30位のタイ女子代表とは大きく水を開けているが、両チームともに「2018 AFC女子アジアカップ」に出場し、「2019 FIFA女子ワールドカップ」を目指しているため、当然ながら真剣勝負となった。
 

豪州女子代表イレブン


 

タイ女子代表イレブン


 
 

時折雨脚が強くなる中、午後6にキックオフ。豪州女子代表は、クラブチームではパースグローリーに所属している背番号20番のFW、Samantha Kerrと、代表では最多出場兼得点者の背番号11番、Lisa De Vannaが前線に張る。
 

 

過去3度のワールドカップ、2度のオリンピック、トータル21試合で8得点を奪っている背番号11番のFW、Lisa De Vanna。

 

Samantha Kerrに関しては、昨シーズンの豪州女子サッカーリーグ(W-League)の最優秀選手賞(Julie Dolan Medal)を受賞し、また今年2018年には毎年全豪で全てのジャンルからただ一人選出される「Young Australian of the Year Award」を受賞し、まさに時の人である。また、De Vannaと共に2人ともパース出身ということもあり、地元ファンは2人の活躍による大量得点を期待した。
 

 

この日はチャンスメークに徹した背番号20番のSamantha Kerrだったが、体のキレはピカ一だった。


 

試合開始から圧倒的にボールを支配し、攻撃の手を緩めない豪州女子代表は前半6分に先制するも、2点目までに時間を要した。そして42分にファンの期待に応えて、De Vannaがネットを揺らすと、後半にも始まって7分のところで格の違いを見せるシュートでチームの4点目を奪った。
 

5点目の得点シーン。CKからのボールを背番号14番のAlanna Kennedyが頭で合わせ、そのボールが背番号22番のLarissa Crummerに当たり、角度が変わってゴールインした。


 
一方、あと一歩のところでボールが枠に行かず、スコアー表に名前を刻むことができなかったKerrは後半10分にベンチに退き、観客席からは“まだ観たかった”といったため息が漏れた。試合は一方的な展開となってしまったが、前半に3点、後半に2点を追加した豪州女子代表が圧勝といった試合内容だった。
 

試合後の記者会見に通訳と臨むタイ女子代表監督のNuengruethai Sathongwien。


 

豪州女子代表のAlen Stajcic監督。


 

(※)「2018 AFC女子アジアカップ」
4月6日からヨルダンで開幕し、豪州女子代表は日本女子代表(FIFA女子世界ランキング、2018年3月23日付けで11位)と同じグループBで戦う。A、Bに分かれた各4チームは総当たり戦で順位を決め、上位2チームは「2019 FIFA女子ワールドカップ」への出場権を得る。各3位は5位決定戦を行い、ワールドカップ出場権が獲得できる5枠の最後の一スポットをかけて戦う。4年前の同大会では、日本が優勝で豪州が準優勝だった。

 
 
 

パースグローリー Round 24 – 26試合結果

 
いよいよ2017-18シーズンも終盤に差し掛かった。Round 17でリーグ順位を9位まで落としたグローリーが、果たしてトップ6に食い込めるのだろうか?!
 

Round 24


: 2018年3月25日  
: vs Melbourne Victory (nib Stadium) 1-0


3月13日のACL(AFCチャンピオンズリーグ)でJリーグの川崎Fに勝利を収めてているMelbourne Victoryとの一戦。開始7分、シュミレーションでイエローカードを提示される背番号9番のAndrew Keogh。無駄なカードをもらい、チームのモチベーションが下がらなければいいのだが、この日のグローリーは高い位置からプレスをかけ、相手に攻撃のリズムを与えない。だが、地力に勝るVictoryは背番号9番のKosta Barbarrousesを中心に決定的なチャンスを幾度も作る。しかし、先制したのはグローリー。そのBarbarrousesのドリブルを高い位置で背番号23番のDF、Scott Nevilleが奪い、そのままクロス。中央のKeoghが頭で合わせ、ネットを揺らした。試合開始のシュミレーションの汚名返上となるゴールで、前半を1-0で終えるグローリー。後半は先制の勢いを維持しつつ、グローリーが攻め続ける。背番号8番のXavier Torres、背番号17番のDiego Castoroが立て続けに決定機を迎えるもボールはゴールの枠の外。その流れを変えるべく、後半15分に一挙に2選手交代させる。そして、悪い流れる阻止しようとしたフロントの采配も当たり、グローリーはそのまま攻め続ける。そして、迎えた試合終了1分前。Victoryの背番号8番、Aリーグの最多得点者のBesart Berishaがネットを揺らすも、オフサイドの判定。そして、アディショナルタイムの5分間も相手の猛攻に耐え、何とか勝ち点3をゲットしたグローリー。残りの試合に望みをつないだ。
 

悔しさをにじませるMelbourne VictoryのKevin Muscat監督。


 

記者会見中、ほっとした表情で笑顔も見せたグローリーのKenny Lowe監督。

 
 

Round 25


: 2018年3月29日   
: vs Sydney FC (nib Stadium) 2-3


この試合に勝てばトップ6への道は更に開かれる。開始早々、足元でパスを回すグローリーだが、相手の戦術につられてしまう。前半12分、元グローリーの背番号13番、Brandon O’Neillの絶妙はループパスから背番号9番のBoboがシュート。GKがはじいたところを背番号11番のAdrian Mierzejewskiが押し込み、シドニーが難なく先制する。その後、何とか同点に追いつきたいグローリーは背番号17番のDiego Castroを中心に攻撃を仕掛けるも、なかなかフィニッシュにまで持ち込めない。そして前半29分、背番号18番のMatthew Simonに裏を取られた背番号66番のDino Djulbicが、半身先に行くSimonへスライディング。ボールはゴールラインを割るも、線審がPKを示唆。主審は線審に歩み寄り、協議後にPKを宣告。スクリーンに映し出されたVTRでは、Djulbicの足はSimonの足にかかっていないように見えたが、そのPKをBoboが決め、0-2へ。続けて39分、Djulbicがまたも裏を取られて、Boboがこの日2点目を決めて、0-3とした。観た目の試合ではそこまで力の差は感じずも、点差が全てを物語っていた。迎えた後半、グローリーは一挙に2選手を交代。FWの背番号14番、Chris Harold、ストライカーの背番号22番、Adam Taggartがピッチに立つ。前がかりのグローリーは、Taggartが早速、シュート。ボールは枠の外だったが、その後も攻め続けるグローリー。時には前線に4選手で猛攻をかける。しかし、SydneyFCのDF陣が必死に守り、フィニッシュまで持ち込むことができない。しかし、交代選手2人が徐々に仕事をする。後半27分、Haroldの縦のスルーパスにTarggartが抜け、GKと一対一に。TaggartはGKの動きを冷静に見定め、無人のゴールにゴール・イン。やっと一点をもぎ取り、なおも攻め続けたいグローリー。狭いエリアでワンツーを成功させたTaggartが見事なカーブ・シュートで後半43分に一点差まで詰め寄る。
 

背番号9番のAndew Keoghとのワンツーの後、相手DFのプレッシャーを感じながらもフィニッシュにむかう背番号22番、Adam Taggart。この後、ボールはゴールマウスに吸い込まれる。


 
そして、アディショナルタイムは5分。グローリーが得たCKにGKの背番号33番、Lisam Reddyまで参戦したが、力及ばず、2-3で試合終了。この試合、前半の3失点全てに絡んだ、Djulbicを責め立てたいところだが、相手のFW陣をほめるべきだろう。そして、この試合の勝ち点3ポイントで、2試合を残してSydney FCはファイナルシリーズ進出が決定した。
 

最後の望みをかけ、グローリーのGKで背番号33番、Lisam Reddがゴール前でシュートの機会を狙っている。


 

W杯ロシア大会終了後、豪州代表監督に就任が決定しているSydney FCの監督、Graham Arnold。


 

記者陣から今後の進退についてまで質問が飛んだグローリーのKenny Lowe監督。

 
 

Round 26


: 2018年4月6日   
: vs Newcastle Jets (McDonald Jones Stadium) 2-0


この試合に負ければレギュラーシーズントップ6への夢はほぼ絶たれる。相手は今シーズン好調のNewcastle Jets。開始8分、右サイド深くからクロスが上がり、左サイドのDF、背番号16番のJoseph Millsが絶好のタイミングで飛び出す。背後から来られた相手DFは止むを得ず足を出し、その足がMillsに接触。主審はすぐさまPKの判定を下した。キッカーは背番号17番のDiego Castro。蹴ったボールは左隅に決まり、敵地で幸先よく先制したグローリー。そして勢いは止まらず、27分にはCastroのスルーパスに背番号7番のJoel Chianeseが飛び出し、GKと一対一になる前に、横で並走していた背番号22番、Adam TaggartにパスしてTaggartは無人のゴールにボールを蹴り込んだ。前半で2-0にしたグローリーは、余裕をもって試合運びを行う。Jetも決定機を作るも、フィニッシュの精度を欠き、結局このままでタイムアップ。グローリーは首の皮一枚で生き残った。次節の最終試合で、自力ではトップ6へは勝ち上がれないが、まずは勝利して、他の試合の勝敗を見守ろう。

 
 


来月号では、A League最終Round(27節)の結果とファイナルシリーズについてお届けします。
果たして、グローリーはファイナルシリーズに進出できたのか?!


このページは Perth Glory FC を応援するページです。 パース・グローリーFCの公式ホームページ www.perthglory.com.au


 
 







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