2003年2

一部永住ビザの大幅改定


2003年3月1日より、永住ビザのカテゴリー内にある各ビジネス関連ビザの移民法が大幅に改定されます。現行のほとんどのビジネス永住ビザが廃止され、ビザの申請条件や手順も異なることになります。いくつかのカテゴリーでは各州政府(含首都特別地域政府)自体が申請者をサポートするようなシステムを取ることになります。また、今まで採用されていたポイントテストも廃止され、今後は申請者の年齢と英語能力に重点が置かれるようになります。但し、州政府が必要だと認める人材であれば、その条件が免除される場合もあります(※今回変更予定のビザの中に独立永住ビザは含まれません)。

現在、永住権を取得できるビジネス関連のビザには、ビジネスオーナービザや投資関連ビザ、シニアエグゼクティブビザなど幾つかの選択肢があります。しかし、3月以降これらは全て廃止され、代わりに暫定的なビザであるビジネスオーナービザ160/890、シニアエグゼクティブビザ161、投資関連ビザ162/891、スポンサービジネスオーナービザ、スポンサーシニアエグゼクティブビザ、スポンサー投資関連ビザが採用されることになり、今までのようなビジネス移住ビザの申請=即永住権取得の図式ではなくなり、永住権取得までに2つの段階(ステージ)を踏むことになります。上記ビザはあくまでも第1ステージの仮のビザであり、各州へ申請して取得した後に4年間の州政府による監視期間が設けられます。この期間内に実際にオーストラリアに住み、ビジネスで功績をあげた人だけが次のステージ(永住権の申請)へ進むことが出来るのです。 しかし、ビジネスタレントビザs/c132というビザが新しく設けられ、例外としてこのビザに関しては直接オーストラリアの永住権を申請することが出来ます。このビザは、各州が必要だと認めた高度な能力を持った人々(例えばビジネスの世界で特に著名な人物など)を確実にオーストラリアに移住させることが狙いです。

更に、DIMIA(移民局)はもうひとつ重大な発表を行いました。長期滞在ビジネスビザのうち、独立エグゼクティブビザも同様に廃止するということです。このビザは、本来オーストラリアで事業を起こしたいと考えている人がビジネスオーナービザを申請する前に取得するものでしたが、前述のような新しいシステムの導入により必要性がなくなった為、今回廃止されることが決定しました。 独立エグゼクティブビザの申請を予定していた人は、新しいビザの申請必要条件との違いを確認する必要があります。新しいビザは、それぞれ資産や売上のレベルが異なっています。どうしても現行の独立エグゼクティブビザの申請をする必要のある人は、2月28日までに申請を行う必要があるでしょう。

● 今回の新システム導入の目的 ●

<移住者の分散>
オーストラリア国内各地へ均等に移住させる為。現在は多くの人が大きな都市部へ住みつく傾向にありますが、新システム導入後は各州で移住者達の移住先をコントロール出来るようになります。ニューサウスウェールズ州知事はシドニーには既に沢山の移住者達がいる為、今後はシドニー移住希望者のサポートは行わないことを公表しています。代わりにNSW州内でも他の都市へ行くように推奨しています。

<ビジネス成功者の増加>
2段階申請の導入によって、実際に事業を設立して運営していない限り永住権の取得が不可能になる為、移住者の選抜が出来るようになります。また、各州政府がビザ発行の決定権を持つようになる為、それぞれの州で移住者が成功出来るような情報を提供したり、サポートが可能になります。

<移住者の誠実性>
今まで沢山の移住者がオーストラリアの永住権だけを取得し、事業を始めないまま、教育の為に家族を呼び寄せたり、老人医療保証だけを利用したりするケースが数多く見受けられました。これらの不正行為はオーストラリアになんら利益をもたらすことはありませんでしたが、今回導入されるこの2段階申請がこれらの問題点の打開策となることが期待されています。

3月1日以降の永住ビザ取得への流れ
例)<現在の状態/ビジネスオーナー>

<ステージ1/仮ビジネスビザ>
「ビジネスオーナービザ」
もしくは「ステートスポンサービジネスオーナービザ」

<ステージ2/永住ビザ>
「ビジネスオーナービザ」
もしくは「ステートスポンサービジネスオーナービザ」


近年、移民法は度重なる変更がされてきました。よって、最新の情報を得るためにもビザに関する質問や悩みなどは、専門家(ビザコンサルティング)にご相談することをお勧めします。本文は、Gorshu Pty Ltd(移民省公認登録番号9791459)の資料提供のもと掲載しております。ビザに関するお問い合わせは、オンラインビザ相談ページ

2003年2月
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