2000年7月

今年度の移民政策を予測する


 7月1日はオーストラリアにとって財政政策、また移民政策においても元年となりました。移民多文化問題省ではこの日より一年間の年間目標を設定し、ビザに関する様々な変更、そして導入を行うことを決定しました。本紙においても以前より紹介してきた数々の情報、例えばワーキングホリデービザや新しい滞在ビザ、そして新たに導入された定年退職した両親の為の家族永住ビザなどを含めて多くの変更がされてきました。ほとんどの変更についてこのコーナーでもご案内してきましたが、両親の為の家族永住ビザに関しては国会での法案通過の遅滞に伴い、変更の導入に若干の遅れが見られています(これは移民省大臣が、申請料5000ドルおよび二回目の分割支払い分25000ドルを追加したいという厄介な状態に関する論争が続いているため)。なぜならば、この種のビザ取得に対する申請料値上がりの背景に、年配の方々の医療費に対するオーストラリア国民の負担が非常に重荷となっており、ビザ所有者の年齢が上がるにしたがって負担金額が増大という懸念があるからです。このカテゴリーに関しては以後、逐次報告をしていきます。

 連邦政府による告知ではこれらの改正に伴う再審理は、既に改正が行われているワーキングホリデービザと学生ビザを除いた、全ての一時滞在ビザに実行されるとのことです。この改正の目的は、オーストラリア国家のビザに対する必要性とビザ取得を希望する人達への保証ともいえるでしょう。
 一時滞在ビザとは、短期就労ビザを含むあらゆる異なったカテゴリーを配慮しており、また長期就労ビザ・クラス457も含んでいます。現在のところ、このカテゴリーの中でもスポンサーが必要な就労ビザから技術系独立移民ビザまで様々な種類に分類することができます。最近、移民局の行った移民コンサルタント向けのセミナーの内容によると、このカテゴリーの改正においては技術事業系である事業主ビザのカテゴリーが、クラス457から分割される方向にあるとのことです。理由としては、まず最初に多くのビジネスマンが独立事業主長期就労ビザ457クラスのビザで入国し、ビジネスを立ち上げるまでに4年間の猶予を与えられます。このビザを所有していると18ヶ月後に事業主として、永住ビザのカテゴリーに入る独立移民クラス845の取得を申請する資格が与えられます。この審査はポイント制で審査されますが、これらの二つのビザの資格基準には大きな差があり、比較するとクラス457の方が取得は簡単と言われています、クラス845の取得はこれに較べ非常に難しい為、どんなにビジネスで成功していても残念ながら永住ビザが取得に成功できないままの人が大勢います。
 今回の再審査においては、この2つのビザを同じレベルで扱える様にする事を考慮しており、つまりクラス457をさらに厳しくするか、クラス845の資格審査を再考慮するか、もしくはその両方が考えられますが、いずれにせよ今後も注意深く成り行きを見定めることになるでしょう。

2000年7月
※ 掲載されている記事は、執筆当時の情報となっておりますのでご了承ください。

近年、移民法は度重なる変更がされてきました。よって、最新の情報を得るためにもビザに関する質問や悩みなどは、専門家(ビザコンサルティング)にご相談することをお勧めします。




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