先月、オーストラリア移民局から「ワーキングホリデービザに関する法改正」が発表されました。今月は、そのワーキングホリデービザに関してお届けします。
「ワーキングホリデー」とは、基本的に滞在資金をパートタイムジョブなどで補いながら、海外生活を体験できる制度で、国際交流が目的の政府間協定で成立したものです。長期間滞在によって、海外(相手国)の文化や生活様式を肌で理解するということを前提に、また両国間の相互理解、友好関係の促進をも目的としています。ワーキングホリデーの「ワーキング」はあくまでも資金補充のための補助的手段であって、本質は「ホリデー」つまり“休暇”がこの制度の本質なのです。 |
近年、このワーキングホリデービザに関する法改正が日本、並びにオーストラリアで頻繁に行われてきましたが、今年の7月1日に過去最大の改正が行われます。現在ワーキングホリデービザで渡航が許されている国は、日本、韓国、カナダ、アイルランド、マルタ、オランダ(オーストラリアからの渡航許可国)となっており、年齢制限が18歳〜25歳(例外として30歳まで認められるケースもある)となっています。しかし、7月1日から以下の点が変更となります。
(1) 年齢制限が18〜30歳に
現在は25歳を過ぎた場合、特別な申請が必要でしたが、30歳までビザ取得が可能になります。つまり日本から、オーストラリアへのワーキングホリデービザ取得年齢制限も30歳まで延びるということになります。
(2) ビザ発給数の増幅
今年度(1999年7月1日〜2000年6月30日)のオーストラリアが発給するワーキングホリデービザの数は65,000〜78,000と言われていますが、来年度(2000年7月1日〜2001年6月30日)の発給数は更にその数を上回るとされています。これは、オリンピック効果に便乗するものとされています。
(3) 入国、滞在の規定
12ヶ月間(オーストラリアへの渡航許可を持ったワーキングホリデービザ)の滞在許可が許されておりますが、現在はその12ヶ月未満で出国した場合、残りの滞在期間分のビザ延長手続きをすることによって、その残り期間は再入国、滞在が許されております。しかしながら7月1日以降は、このルールは撤廃されます。つまり、一度入国(オーストラリア)した日から12ヶ月間の滞在はもちろん可能ですが、この期間中に一度出国したら、同ワーキングホリデービザでは再入国できなくなります。また、現在すでに実施されているルール(2000年6月30まで)として、前述した出国、再入国の許可を得た場合、ビザの有効期限内(12ヶ月以内)であればその出国、再入国は可能ですが、もしビザの有効期限が過ぎてしまった場合には、再入国は許されなくなりました。
(4)参加国が増える
オーストラリアのワーキングホリデービザの適用国が大幅に増えます。現時点では、まだ未定で確定はされていませんが、交渉国(オーストラリア間)を列挙します。
スペイン、フランス、ドイツ、シンガポール、マレーシア、香港、台湾、イタリア、ギリシャ、イスラエル、キプロス、オーストリア、スイス、フィンランド、スウェーデン、ノルウェイ、デンマーク、アメリカ。
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