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        言葉が思うように通じない異国の土地でのお産は、チャレンジの連続です。しかし様々な障害はあっても、それらを夫婦二人でひとつ、ひとつ乗り越えていけば絆がよりいっそう強まります。また現地でのお産を通して、今までは見えなかった現地の習慣、文化なども見えてきます。そして何よりも二人で家族のニューメンバーを迎えられる喜びは一際でしょう。どうぞ、このチャレンジを本当の意味でも一生のよい思い出になるように準備をしていってください。 
         満足なお産を迎えた方々の多くは、助産婦や医師との信頼関係が強かった人たちです。彼らへの信頼があったからこそ、わからないこともきちんと納得のいくまで聞け、不安はそのつど解消出来たのだと思います。 
         お産それ自体とその土地のお産の特長についてもよく勉強する必要があります。無痛分娩が盛んに行われている国であれば、どのようなチョイスがあるのかを知り、自分の体には責任を持ちましょう。また体ばかりでなく、心の変化も見逃さないようにしましょう。ちょうど同じ時期に出産予定のお友達が出来ると心強いですね。 
         海外の病院はすぐ退院しますので、退院後のためにご主人なり、お母さんなり、ヘルパーなり誰かしらのサポートを確保しておく必要があるでしょう。 
         最後に「いざとなったらなんとかなるさ」と思えるくらいの楽観的な気持ちを持ちましょう。「案ずるより産むが易し」と言いますが、その言葉通りです。 
         
      Nora Kohri(ノーラ・コーリ)  
        東京生まれ、世界各国に23回の引っ越しを経験。カナダの大学でソーシャルワーカーの資格を取得後、日本で出版編集を務める傍ら、在日外国人のカウンセラーのボランティアを務める。ご主人の転勤先のシンガポールで第2子の出産を経験。88年から、世界の出産・子育て調査を始め、国際医療ソーシャルワーカーとして、カウンセリング、講演、執筆、医療通訳者として活躍中。著書に「海外で安心して赤ちゃんを産む本」(1993年:ジャパンタイムズ)など。連絡先:caretheworld@hotmail.com 
           
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