—宇田有三に迫る—

今月は、本誌Vol.26(2000年3月号)から連載コーナー「On The Road」を執筆中のフォトジャーナリスト宇田有三氏をクローズアップする。


The supporters of ousted Haitian President (Aristide) coming together downtown. Boston, USA, 1990

1990年、2年半の中学英語教師にピリオドを打ち、フォトジャーナリズムの勉強のため渡米する。行き先は、ボストン。そして、ボストン・ニューイングランド・スクール・オブ・フォトグラフィで写真を学び、ボストン大学でジャーナリズムの講座を受ける。


A Salvadorina girl in the dancing ceremony. Chalatenango, El Salvador, March, 1992

1992年、内戦が続いていたエルサルバドルの紛争停戦の瞬間をファインダー越しに見た、宇田氏。そして、その後も継続的にエルサルバドルを訪ねる。

1993年、エルサルバドルから帰国した宇田氏は、今後の自分へのテーマを「軍事政権」とし、中東だけではなく、ビルマをはじめとしたアジア地域、アフリカへと着目し始める。また、精力的にフォトコンテストに応募し、入賞を重ねる。文部大臣奨励賞(毎日写真コンテスト)も受賞した。

1994年、再びエルサルバドルを訪問し(96年と99年にも訪問している)、停戦のときに生まれた子を再び訪ね、成長したその姿を写真に収めた。本誌連載第ー回目の「On The Road」は、このエルサルバドルについて紹介し、この地がフォトジャーナリストとしての出発点となった。


Highly respected Thamanya Priest. Thamanya, Burma, June, 1998

1998年、「平和・共同ジャーナリスト基金」奨励賞受賞、2001年には「視点賞」奨励賞受賞、そして昨年2002年では「黒田清・日本ジャーナリスト会議新人賞」を受賞している。しかし数々の受賞を重ねるにつれ、自分のテーマに掲げている「軍事政権」と実際その地に暮らす人々のふつうの姿や生活とのギャップを感じざるを得なかった。ある意味、疑問に近いそのギャップを埋めるために、神戸大学大学院の国際協力究科で1年間、政策立案側の論理を学ぶ。そして、政権側からの統治理論に対する民衆側の理論武装の必要性を実感することになる。


The Blackswan, symbol bird of Westen Australia. Western Australia, September, 1998

海外取材が主となる宇田氏は、取材先を全て自分で決め、取材費も自己負担で仕事をする。本誌とは、1998年に宇田氏が渡豪した際、本誌への写真提供がきっかけで「On The Road」がスタートした。

宇田氏の写真やルポの一部をwww.uzo.netで見る事が出来る。また、本誌好評連載中「On The Road」はwww.nichigonet.com/perthexpressで読むことが出来る。

   


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