政治
  自民圧勝 郵政法案成立へ
 
 

 8月8日に郵政民営化法案が参議院本会議で否決されたことを受け、郵政民営化の国民の是非を問うと小泉首相は同日夜に衆議院解散を断行。9月11日に総選挙が行われた。郵政民営化関連法案で内部分裂を起こした自民党は、公明党と共に民営化を実現させるため、過半数(241議席以上)の議席獲得を目指し、公示から投票日までの12日間を精力的に活動。自民党との政権交代実現を訴えた民主党両党の票獲得は、激戦区の都市部での激しい攻防が結果を左右すると見られ、世論の注目を集めた。

 そして当日11日、第44回衆議院総選挙の投開票が行われた。結果は、小泉首相率いる自民党の圧勝。獲得議席296と絶対安定多数(269)を大幅に上回り、公明党の獲得議席と合わせると、与党全体の議席が総議席の3分の2(320)を超す計327議席となった。

 一旦、参議院で否決された法案を衆議院が再議決して成立させるためには、衆議院の出席議員の3分の2以上の賛成が条件で、与党は321議席を得ることが必要。しかし今回、自民・公明両党の議席がこれを上回ったことで、郵政民営化関連法案の成立は確実となった。今回、現行の小選挙区比例代表並立制のもと選挙に立候補したのは、比例選単独142人(小選挙区選との重複を除く)と、小選挙区選989人の計1131人。2003年の前回衆院選と同様、各立候補者は選挙政策や政権公約(マニフェスト)を有権者に訴え、12日間に渡って街頭演説など激しい選挙運動を繰り広げた。自民党が衆院選で単独過半数の議席を獲得したのは、1990年以来15年振り。定数460に占める議席の割合も61.7%と戦後2番目に高い数字を記録し、女性の当選者も過去最多となった。自民党は、首都圏や大阪などの都市部でも民主党を抑え快勝、前回民主党が第1党となった比例選でも勝利を収めた。

 先の通常国会で郵政民営化関連法案が否決され、国民の是非を問うと郵政解散を行った小泉首相が、有権者に信任された形となった今回の総選挙。勝因は、都市部の無党派層からの幅広い支持を得たことと分析される。憲法改正に必要な3分の2以上の議席を与党が獲得したことについて、惨敗した民主党の岡田代表は「決していいこととは思わないが、有権者がそのような選択をしたということ」と話し、また今回の選挙についても「手応えがあったが、予想外だ」と辞任する意向を表明した。

 
 

 
 

   

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