[第8節] サッカー選手とメディア

石田 「メディアからのインタビューは、もし受ける必要がなければ、受けたくはない。自分の時間を大切にしたいので。例えば、試合が終わった後は一番疲れている時なのに、そんな時にインタビューは受けたくない。でも、インタビューを受けなければならないなら、やはりそれなりの質問を考えてきてほしい。お互いにプロでやっているんだから、プライドを持ってやってもらいたい」

— 同感である。これはあくまでも一例だが、1993年に発足したJリーグにメディアは必要以上に肩入れした。しかし、あの盛り上がりが“ブーム”として扱われ、数年後の急激な陰りにはそれ相応の理由がある。あのジェットコースター的現象はなぜ起こったのか。もちろん多面的な要因が考えられるが、メディアもその理由の1つと上げられるだろう。つまり、表面的な現象を無責任に取り上げ、サッカーの質にスポットを当てず、ただお祭事のように囃したてた。それにより、本当のサッカーの面白さや魅力を知ることなく、大衆は立ち去ってしまったのだ。受け手の成長を促すことまで、気が回らなかったのだろう。これは、プロフェッショナルに欠いたメディアの実態である。

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