[第2節] 勝負へのこだわり
メインスタンドの屋根に叩きつけられる雨音は、弱まる気配がない。グローリー優勢の試合展開は変わることなく、前半終了5分前には、怒涛の攻撃を繰り広げた。しかし、いずれもゴールを割ることができず、両チームとも無得点のまま前半終了の笛を聞く。 ハーフタイムの間に、雨は小ぶりになり、後半の45分間がスタート。そして、始まって3分のことだった。敵陣中央でボールをもつ石田は、フリーで右ライン際を走るBobbyにパスを送る。石田はその後、ファーポストに向かって全速力で走った。相手DFは、その石田の動きにつられる。そして、Bobbyは膝下を鋭く振りぬき、ライナー性のセンタリングを上げた。しかし、石田の動きとは反対に飛んできたボールに対処し損ねたシドニーのDF、背番号6番のUfuk
Talayは、とっさの判断で足を投げ出した。刺すようなボールがシドニーのゴールマウスに吸い込まれた。先制点は、オウンゴールでグローリーに捧げられたのだった。 |
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