パースエクスプレスVol.144 2010年1月号

 新年を迎えると、誰もが良い年となることを願うことだろう。そして心を改め、新たに自分の目標を設定し、それに向かって頑張ろうという気持ちがこみ上げてくる時でもある。振り返ってみると、昨年は世界金融危機で世界中の国々がダメージを受け、失望の日々が続いた年であった。そんな中で、比較的大きなダメージを受けずに済んだオーストラリア経済だったが、2010年は好調となる予測が出ている。国民にとって朗報、投資家にはおいしい話となるが、その内容をちょっと紹介しよう。

 2009年3月、世界金融危機の最中、オーストラリアのS&P/ASX200株価指数は3,121という危機的状況までに落ち込んだが、その後好転し、12月31日現在で4,870.6にまで伸び続けた。豪経済学者から、「豪株式市場は、国内経済の継続的な回復により、2010年は15%までの株価上昇が予測される(12月31日、The Sunday Times、online)」といったコメントが出されたが、その根拠として主に、中国との関係や安定した人口増加を挙げている。CommSec(コモンウェルス証券)の主任経済学者であるCraig James氏は、半年後には株価指数が5,300に達し、年末には5,600まで上昇するとし、投資家が不動産や多角的な金融株の買い戻しに走るという予測を出している。世界経済危機時に手放された株が再び回収されるというわけだ。またJames氏とほぼ同様、株価指数が5,500まで上昇すると予測するZurich Financial Services Australia Ltd(チューリッヒ・ファイナンシャルサービス・オーストラリア社)の投資マネージャー、Matt Drennan氏は、アメリカ経済は依然として不安定であるが、アジア、特に中国との関係が深いオーストラリアはその影響をあまり受けることはないと述べている。オーストラリアがアジア、特に中国に多大な資源を供給している限り、経済は安定するということなのだろう。やはり、ここに来て強みを出すのは資源保有国ということなのだろうか。

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