日本からいち早く、このゴーゴンLNGの輸入契約を済ませたのは、東京ガスと大阪ガスだった。東京ガスは、2014年より25年間に渡り年間約110万トン、大阪ガスは、同期間で年間約137万5千トンを輸入するという。ケビン・ラッド首相は、韓国への50万トンの輸出を含めた総額が、700億ドル(5兆6千億円)に達すると予想している(9月10日、The
West Australian、online)。また日本の企業として、日揮が9月15日、ゴーゴンLNG開発プロジェクトの中心地であるバロー島での大型LNGプラント建設を受注したということだ。
今回のゴーゴンLNG開発プロジェクトが、経済界のあらゆる部門に影響を与えることは必至だ。特にメインゲートとなるパースでは飲食、ホテル、旅行産業が繁盛し、人口増加に伴う不動産の価格上昇も予想されるという。またプロジェクトの関連企業の株価上昇も当然考えられるので、株式市場も賑やかになりそうだ。
先にお伝えしたように、このプロジェクトでは多額の収益が見込まれている。しかしながら、これらの数値に対して、「LNG価格の下落によるゴーゴン収益への疑問(9月2日、The
Australian、online)」といった批評もある。現在、LNGの平均販売価格が昨年12月の半値以下になっており、今後の販売価格が一様に上昇し続けるとは限らないというわけだ。この巨額の収益額予想が『とらぬ狸の何とやら』といったことにならねば良いが。今後の展開に注目していきたい。
|