子どもや若者は国の宝と言われているが、現代の若者たちはどんな意識を持ちながら暮らしているのだろうか。ここオーストラリアのメディア等で報道される、若者を巻き込む犯罪や社会問題は後を絶たないが、最近、実施された若者を対象にした意識調査により、国内の若者がどんなことに対して不安を抱えているのかが浮き彫りとなった。今回は、特にここ西オーストラリア(WA)州の若者が一体どんなことに不安を持ち、これまでの調査と比べどんな変化が表れているのかを紹介しよう。
社会が子どもや若者たちに及ぼす影響というものは、想像した以上に深いものかもしれない。自分を振り返っても、家庭や学校で受けてきた教育が、数十年を経た今でも生き続けているし、社会環境から受けた影響も大きい。自分で見たり、聞いたり、言われたりしたことが心に残り、それを元に物事の良し悪しを判断するようになっていくのだろう。最近、オーストラリア国内で実施された若者(11歳〜24歳)を対象とした意識調査によると、「WA州の若者たちは、家庭問題、ドラッグ、体型のイメージといったものに大きな不安意識を持っているが、特にドラッグに対する意識が高まっている(11月26日
The Sunday Times、 online)」といった結果が報告された。これは、チャリティー・ミッション・オーストラリアによって11歳から24歳のWA州の若者3,300人(国内では4万5,500人)に対して実施された調査で、15項目の内容を自分の不安意識を元にランク付けする方式をとったものだ。トップ3に挙げられたのは、『家庭問題
‐ 27.4%』、 『ドラッグ ‐ 27.3%』、『体型イメージ ‐ 25.1%』となったが、中でも注目されたのは『ドラッグ』で、11歳から14歳の子どもたちの不安意識が昨年の23.4%から今年は29.9%にまで大きな伸びを示していたことだった。ミッション・オーストラリアWA州代表のロス・キルウッド氏は、「この結果は、若者に対するドラッグ教育を実施しやすいのは早期の思春期にあることを示唆している。この年齢層の多くの子どもたちは、友人や家族がドラッグを使用することを特に心配しているようである」と述べている。健全な意識が高い、若い年齢層でドラッグ教育を行うのがベストだという判断だろう。
|