ところで日本の不動産事情はというと、いまだに平均価格の下落は続いているようだ。90年代のバブル経済の崩壊後、「不動産は持っていれば価値が上がる」といった神話は崩れ、現在では「不動産は持ち続けると損をする」といった状況にある。企業などは、所有する不動産をどう上手く利益に結びつけるかということを考慮しているようだ。果たして、オーストラリアもこれに似た状況に陥るのであろうか。

今回、パース近郊での不動産バブル崩壊とも思える状況を見て思うのは、わずか数年で高騰するような状況には、何か裏があると考えざるを得ないということだ。資産家や不動産ビジネスが仕掛け、ブームを作り出し、一般市民を巻き込んでいく。巧みな宣伝や広告に乗せられて、この時期を逃すと時代に乗り遅れるといった風潮に流される。自分の知識や経験で物事をしっかり捉えないと、犠牲者になりかねない。これからの時代、溢れる情報を自分自身でどう判断し、上手く処理していくかといった能力が問われることになるだろう。

<筆者のプロフィール>
東京生まれの元祖ワーホリ。日本企業のエンジニアを辞職し、日豪で計3年間の修行の後、日本語教師となる。パース在住15年、日本語教師歴11年。ペンネーム「ブッシュウォーカー」。

 


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