30〜39キロのスピード超過違反に対して、これまでの$350ドルから倍の$700(約67,200円 $1=96円換算、2月3日現在)へ、過激な自己顕示運転にはこれまでの$1,000から$2,000(約19万2千円)へ、携帯電話保持による片手運転には$100から$250へ値上げ、更に同乗者がシートベルトを着用していない場合には、成人同乗者とドライバーに罰金が科せられる。重大な違反に対しては罰金額がほぼ2倍以上に変更されているが、ここで注意したいのが、スピード狂でない一般ドライバーでも犯しやすいと思われる、運転中の携帯電話の使用と同乗者のシートベルト着用義務違反だろう。日本から来たばかりの旅行者は、運転前に十分注意しないとこういった違反により、思わぬ罰金を食らうことになる。まあ今回の罰金額の値上げは、主に暴走、過激な自己顕示運転をターゲットにしているので、おとなしく運転していれば特に問題はないだろう。
日本でも暴走行為は問題視されているが、焦点はもっぱら飲酒運転に絞られている。暴走行為に当たるスピード違反では、20キロから40キロ未満で2万5千円から3万5千円の罰金(反則金)と減点が科せられ、それ以上は刑事罰となる。他は「安全運転義務違反」などとして細かな違反行為は上げられているものの、暴走行為全体としての処分はない。現在は、各地方自治体が暴走行為対策を個々に実施しているのが現状だ。
オーストラリアではドライバーに減点法を採用しているが、暴走行為等をしたドライバーには、多額の罰金や車の長期押収の方が直接的で効果があるとWA州政府は判断したわけだ。これで公道が平穏になってくれれば言うことはないが、空間が豊富なオーストラリア、おそらくどこかで“隠れ暴走狂”が出現するのは間違いない。まあ少なくとも他人を巻き込むような事故が減ってくれるだけでも良いとしようか。「・・・・に刃物」と言われるが、ここパースでは「刃物」が「車」に変わってしまったここ数年である。
|