これについて、西オーストラリア(WA)州ガン評議会代表のテリー・スレビン氏は、「これは、明らかに我々が真剣に取り組まなければならない問題だ。これらの問題に立ち向かい、悪影響を減少させるためにも、内容をよりよく理解しなければならない」と述べている。また、WA州職業安全組合のリンダ・モリッチ氏からは「これで職場における職務生活のバランスがいかに重要であるかが分かった。我々は正しいバランスの取れた職務生活を送る必要がある」といったコメントが出たが、次の段階として将来、どんな対処が施されるのだろうか。

日本でも深夜帯・交代制勤務者の健康問題が指摘されている。深夜帯・交代制勤務により「概日リズム」に乱れが生じ、その結果として睡眠障害、胃腸障害、呼吸器系障害、脳、心臓などの循環器系疾患、免疫力低下、精神的悪影響などが現れるという。しかし、今回のように発ガン性にまで言及する内容については、日本ではまだ不明だ。まあ、免疫力が低下するというのであれば、ガンを含むあらゆる疾患が出てもおかしくはないだろう。

かつて、「シフト・ワークは慣れだ」という話を聞いたことがあるが、どうも現実はそうでもない。「時差ボケ」が習慣化したものとは話が違うのだ。今回のWHOの発表が世界中のシフト・ワーカーにどのような影響を与えるのだろうか。オーストラリアは、労働者の保護には特に厳しいが、近い将来にこういったシフト・ワーカーに対して大きな進展が見られるかもしれない。現シフト・ワーカーには、せめて自己の健康管理を毎日しっかりやってほしいと願うばかりだ。

<筆者のプロフィール>
東京生まれの元祖ワーホリ。日本企業のエンジニアを辞職し、日豪で計3年間の修行の後、日本語教師となる。パース在住15年、日本語教師歴11年。ペンネーム「ブッシュウォーカー」。

 


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