パースエクスプレスVol.114 2007年7月号

人間の基本的な暮らしと言えば、「衣、食、住」ということになるが、こと「住」について、ここパース近郊で異変が起きている。昨年の11月時点で、パース近郊の住宅中間価格がシドニーを抜いて国内最高値になり、ここ数年に渡る不動産の異常とも思える高騰となっている。一般的に考えれば、不動産の価値は年に数%の割合で上がっていくというのが大方だろうが、この高騰を見る限り、数十%というもの、中には3年間で2倍近く跳ね上がるような物件もある。このことに関して、専門家の間では様々な意見が飛び交っているようだが、何やら不動産ブームといった感じがしなくもない。今回は、このパース近郊の不動産高騰について少し探ってみよう。

一般に不動産の価値といえば、環境や至便状況などから相場が出され、それに人気度が加わって価格が上昇するといったところだが、人気が急騰して「買い」が殺到すれば価格はどんどん上がるだろう。パース内の不動産高騰もこういった「買い」の殺到が原因だと考えられるが、ではなぜ「買い」なのか。これには様々な理由があると思う。1つには東部の州での不動産投資ブームの流れが西オーストラリア(WA)州に入り込んできたこと。景気の上昇と共に、不動産への投資は今がチャンスであるといった不動産投資ビジネスの戦略がWA州でも始まり、それに多くの顧客がのせられたこと。また、人口の増加や海外からの移民の流入により、不動産への投資が大幅に増えたこともあるだろう。

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