新しい年に入り、読者の皆さんも様々な気持ちで新年を迎えていることと思う。世界的なニュースとして、サダム・フセインの死刑とバンコクでのテロ事件で幕を閉じた2006年だったが、一体2007年はどんな年になるのだろうか。少しでも平和な明るいニュースが増えることを期待したいが、現実として異常気象やテロ問題などの不安は募るばかりだ。
さて、新年に入ってから、ここパースでの新聞紙上で目に付いた話題といえば、教育問題だった。特に学校間での生徒の学力差を取り上げており、中でも公立校のレベルアップを指摘する内容が印象的だったが、一体、西オーストラリア州で今、どんなことが問われているのかを紹介しよう。
西オーストラリア州の新学期は夏休み明けの1月下旬から2月上旬だが、毎年、新年に入ると教育関連の話題が多くなる。というのも、この時期に毎年11月から始まるTEE(大学、公立専門学校入学共通試験)の結果が発表され、点数により各高校がランキングされるわけである。そしてこの度、「公立校はTEEランク向上のための困難な戦いに直面している(1月7日、The
West Australian Online)」といったコメントが州立校校長間から出された。今回の発表で、TEEトップ20の学校の内、4校のみが公立校であったため、公立校のレベル向上対策が論議されている。トップレベルの公立校からは、その成功の理由として、生徒のカウンセリング、教師のやる気、親の支持といったものが上げられた他、補習時間を設けたり、外部から特別にコンサルタントを雇うといった私立校のやり方を見習ったことだという。また、ある公立校校長は、社会経済地域にある学校には勉強に熱心な生徒が多く、生徒間の競争意識が強いという。一方、地方部からしばしばトップランク入りする学校長からは、社会経済地域にはなくても、長年の経験豊富な指導者と地域の強力な支持、そして生徒の高い向上心が重要だという。まあ、筆者も教育に携わっている関係上、言わせてもらうと、生徒のやる気、周りからの支持、生徒間でのいい意味での競争心が学力向上の条件ではないかな。そしてこれらの条件を満たす学校は、当然レベルも高くなるだろう。条件を満たすには、何らかの対策が必要となるが、生徒の中には家庭の事情で勉強に集中できないような場合もあり、確かに難しい問題も多い。
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