5月も末となり、ここ最近、オーストラリアで盛り上がってきている話題といえば6月9日からドイツで始まるサッカーのワールドカップだろう。何といってもオーストラリアはウルグアイとの苦戦の末に1974年以来の出場を決めたわけだから、地元のサッカーファンにすればたまらないわけだ。しかし、ここオーストラリアに住む日本人は複雑な心境にあるんではないだろうか。それは本国日本が、予選でなんとオーストラリアと同グループに入り、6月12日に両国が初戦でぶつかることになってしまったからだ。同グループにはブラジル、クロアチアといった強豪がいるため、豪日両国ともこの一戦は絶対に落とせない状況だが、この戦いを両国のメディアはどのように捕らえているのだろうか。サッカーファンでもある筆者が、ちょっと探りを入れてみた。
まずは日本側の状況だが、監督とメディアとの見解がずれているようだ。ジーコ監督は、日本の準決勝進出も可能だといったかなり楽観的なコメントを口にしているが、結果重視のメディア側は日本の得点力不足やディフェンスの不安定さを指摘している。事実、格下のチームが多かった予選ではあまり問題が無かったものの、ヨーロッパのチームとの対戦では問題が顕著に表れた。3バックか4バックかといったフォーメーションの問題もあり、ジーコ監督の采配が論議されることも多い。評論家からは、グループ内ではオーストラリアに勝てるかどうかで、全敗もありうるといった辛口の意見もある。事実、ウルグアイを破ったオーストラリアは弱くない。選手の多くはイングランドのプレミアリーグでプレーしており、フィジカルの強さは日本の選手を凌ぐだろう。グループで生き残るためには、オーストラリア戦が全てで、負ければ日本は終わりといった見方が一般的だろう。
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