いよいよトリノ冬季オリンピックも開幕。日本選手へのメダルも期待されるが、現在、夏真っ盛りのオーストラリアでは、人々の野外での活動が最高潮になる時期だ。オーストラリアというと、スポーツ天国とイメージする人も多いんではないだろうか。世界レベルのスポーツイベントなどでは、オーストラリア人選手の活躍が見逃せない。人口からいえば、日本の五分の一にも満たないオーストラリアだが、このスポーツでの活躍の秘密は一体何なのだろうか。筆者なりの考えをお伝えしよう。
広大な国土を持つオーストラリア。北部は熱帯地域、南部の山岳地域では雪も降るわけだから、マリンスポーツからスキーを初めとするウインタースポーツもできる。温暖な海岸沿いの都市には、各地に緑溢れる広場や運動施設があり、シーズン中の週末ともなると、様々な市民レベルのスポーツイベントが始まる。エネルギーが有り余る多くの子供達は、自分の好きなスポーツをするために学校や地域のスポーツクラブに入り、楽しみながら心身を鍛えている。
日本と違うのは、学校内のクラブ活動としてスポーツを行うことは、私立の学校に通う生徒達が主で、多くの子供達は学校外のスポーツクラブに所属していることだろう。私立校の多くはスポーツに力を入れており、優秀なコーチや先輩達が指導に当たり、独自に優れた選手を育成している。一方、スポーツクラブには資格を持った専門のコーチがいて、年齢に応じた指導を行っている。中には、同じクラブ内で子供の頃から大人になるまで同じスポーツを続ける人もいて、セミプロレベルになってしまう人もいるから凄い。また、クラブ内でも楽しみながらスポーツをする人と、競技レベルでやる人に分かれて練習するので、自分の目的に応じてスポーツに参加できるわけだ。そして競技レベルの選手の中に優れ者がいると、州や国の代表に選ばれたり、プロ選手としての道が開けるのである。現在、世界で活躍するオーストラリア選手の中には、こういったクラブ出身者も多い。
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