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其の24 年の瀬の夜中に一人で酒を飲みながら、ふと子供の寝顔を思い出して考えたこと 大人は子供に何がしてやれるだろう。まず必要なのは、笑顔とやさしい言葉とたっぷりの愛情を与えること。そしてまた、時にはそれが金銭や高価な品物に形を変えざるを得ないこともあるだろう。厳しい目で見つめる愛情もあるし、与えるものが目に見えない財産、例えば教育であったり、子供にいろいろな経験をする機会を与えることであったり、また、一緒に釣りをしたり、ボールを蹴ったり、ままごとをする時間であることもある。 だからこそ、子供には早い時期から見えない将来の為に、それなりの努力をすることを求めるのだ。でも、子供の無邪気な寝顔を見ていると、せめて今だけは幼い子供達だけが住んでいる、夢の国の中でそっと遊ばせておいてやりたいと思う。我々大人が入ることの出来ない、もう行き方すら忘れてしまった子供だけの夢の国。いつかは彼らも夢の国を出て、遥かな長い旅の始まりとなるこの道に立つだろう。そして、彼らも再び帰ることのない、私達と同じ旅人となるのだ。 だから、今だけはこのままでもいいじゃないか。 最後に、家の大掃除の最中に本棚の隅で見つけた本にこんな詩があったので紹介する。なお、日本語訳は俺様が勝手につけましたので、文句言わないように。 Let us not take away 子供の夢をとり上げないで せめて大人がこの子らに (The Thoughts of Nanushka, Volume XIII / Nan Witcomb著より) 皆様、それでは良いお年を。 |
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