伊達親父の新米父親コラム「父親になった俺様」

 仕事柄子供と接する機会の多い俺様だが、これは学校の教室での話。ある生徒が「あの子の隣には座れない」と言い出した。理由を聞くと「左利きだから」。つまり、教室で机をつけて座るとノートを取る時に腕がぶつかって書きづらいということらしい。それで気が付いたのだが、オーストラリアの子供は日本に比べて左利きの多いこと、多いこと。他の国でもそうかもしれないが、本当に「え、お前も左利きか?」というくらいに左利きにヒットする確率は大きい。左利きは右脳が発達しているので感覚に優れた芸術家肌が多いとか言われるが、そういや大学の芸術科に行ったらクラスの半分以上が左利きだったというネタのような話まで聞いたことがある。

 日本ではいろいろな歌謡曲にも歌われてきたし、昔からの日本のメジャーな庶民観戦のスポーツである野球やボクシングでは「左利きが有利」みたいなことを言われてきたから、日本だと左利きはどこかしらスペシャルな感じがする。だから、子供の頃には「あーあ、オレも左利きだったらスターだったのになあ」と今考えると到底訳のわからない根拠で、ひそかに左手で書く練習をしてみたり、ボール投げてみたりしたこともあったなあ。余談だが、普段右利きの俺様は実は、潜在的に左利きだった様で(そんなものあるのかは知らないが)、習ったことが無いいくつかの動作(トランプをきるとか)だけは気が付かないうちに自然に左手でやる習慣がついてしまっていた。

 しかしだな、よく考えると世の中は、ほとんど右利き用に出来ている訳で、なおさら人と違うと不便…とは言わないまでも、意外なところで余計な労力を強いられることは多いはずだ。特にハサミ、包丁、缶切などの刃物や鉋(カンナ)などの大工道具に急須など。パソコンのマウスもそうだな。ちゃんと左利き用のものもあるけれど、結局買わなければいけないでしょ?しかも左利き用「MY急須」「MY缶切」とか持ち歩くのも面倒だし。
 買えないものだっていっぱいだ。自動改札機にATM、券売機は右利きを前提としているし、大体、日本語の文字の書き順は右利き用だからな。それに意外と気が付かないもの、ネジや水道の蛇口に時計の竜頭にガマ口の財布まで、とにかくこの世は基本的に右利き帝国なのだ。
 で、俺様はやはり子供には余計な苦労をして欲しくないので、右利きに癖をつけようと思っている。だからカミさんに言ったんだよ「気がついたら右手でスプーン持たせてね」って。そしたらカミさん一言「なんで?」だって。
 俺:「なんでって、そりゃー右利きの方が便利じゃねえか」
 カ:「いいじゃない、別に」
 そりゃあ確かに別にいいんだけどな、それを言われたら元も子もねえだろ!と思うのはやっぱり俺がつまらん既成概念に縛られているだけなのか…。

 じゃ、なんでココには左利きが多いのかという話になると、これがもう単に親が気にしてないだけの問題ではないかと思うのだが。利き腕は母体の男性ホルモンが関係するという説もあるし、環境説もあるし、遺伝説もあるが、結局人種は関係ないらしい。ま、つまり無理に直さなくてもいいでしょ、ってことだな。
 実は猿にも利き腕があって(左利きが多いらしい)生後2−7ヶ月で決まるそうだが、人間の場合は1歳以上になると利き腕らしきものが現れてくる。しかし3歳前にはいくら直したところで、結局一緒だって聞いたこともあるしなあ。大体、恵蘭だって左手にスプーンを持ったまま右手で大好きなジャガイモをワシづかみにして、口に押し込んでいたから、結局のところ便利な様に両手を使ってる訳で、今の所はどっちが利き腕なのかは良くわからない。
 つまり結論としては、散々語っておいて恐縮だが「どうでもいい」ということだな(スミマセン。ワハハハハ)。とにかく小さい子供にストレスはあたえないよーに!



★聞いた話では「左利きを無理やり右利きに直すと吃音の原因となる」というかなりウソくさい話があります。実はこれはもっぱらウソではなく、どうやら矯正時のストレスが原因のようです。幼い時は右利き左利きをあまり気にせずに、少しいろいろな判断が出来るようになる3歳くらいから、ゆっくりと言い聞かせて、少しづつ直して行き始めても決して遅くはない様です。



This site is developed and maintained by The Perth Express. A.C.N. 058 608 281
Copyright (c) The Perth Express. All Reserved.