伊達親父の新米父親コラム「父親になった俺様」

 前回の入院した話の続きを書こうかと思ったのだが、その後、恵蘭も無事復活して「ボッ、ボッ、ボッ、ボ〜!」と威勢のいい奇声を上げながら、真剣な顔でモリモリご飯を食べているので、この話はおしまい。数々のお見舞いの言葉を下さいました皆様、本当にありがとうございました。

 ところで子供のいる皆さん、チューしてますか?
 いや、旦那とかカミさんとか他の所でじゃなくて、子供の話。日本の友人の子供(5歳)に言われたんだよね。「ねえ、なんでそんなに赤ちゃんにチューばっかりするの?」って。するとオージーであるウチのカミさんは、自然に突っ込み返したんだよ。「じゃあ、お父さんもお母さんもチューしてくれないの?」って。その子供は「うん......してくれるよ....」って、ちょっと小声になって返事をしてたな。もちろん、この子はいつも非常に明るくて優しい両親にいっぱいの愛情を受けて育っている。しかし、俺様はそれを聞いてちょっと「フーン」って思ったのだ。

 西洋の生活習慣の中で暮らしていると、日本人であってもハグ(抱擁)や頬にキスというのは親類や仲の良い友人同士だったら当たり前の事だ。いや、さすがに地元に住んでる日本人同士でやるとちょっと照れくさいかもしれないけどな、とにかく自分がそのコミュニティーのグループを形成する一員、つまり日本に住んでいる日本人として特別扱いされていない場合は、特にそれをしない方がかえって不自然である事の方が多いのだ(もちろん、別に親しくもない人には全然しないけどね)。

 で、我が家も同じく国際結婚の家庭にしてみれば、当然コミュニケーションの手段にも夫婦双方の文化が混合する事になる。つまり、子供のほっぺにチューも大人同士のほっぺにチューも、単なる愛情表現だけでなく「礼儀」としても当たり前の事なのだ。だが、もし俺がこれを日本で女の子にやったら、昔から良く知ってる友達以外の多くの女性は「あ、もしかしてあたしに気があるのね?イヤ〜ン」って思うか、「この外国かぶれのキザ野郎!」って思うか、どっちかだろうな(と言いつつ、俺様は相手と状況によっては、おかまいなくやってるけどな。フフフ)。

 とにかく、こういう環境の中で子供も大人がするのと同じように、ハグやチューや握手をする事も覚える。これが良いとか悪いとかの話じゃなく、もしかして日本人に欠けている部分なのかな、とふと思ったのだ。いや、さすがに俺だって今さら日本の母親のほっぺにチューとかする気はないが、日本の家族でも女性同士だったらハグ、男同士なら握手くらいはしてもいいんじゃないかと思う。そして、コレを見ながら育った子供達のスキンシップって、やっぱり少なからずとも違うんではないかなと。

 握手は元々「俺は武器を持ってませんよ」という意味だし、日本の頭を下げる挨拶は「あなたに対して敬意(または恭順の意)を表します」という意味だから、どちらとも元の意味としては親愛の情を示す物とは程遠い。西洋の「向かい合う」対等な挨拶に、東洋の「譲り合う」対等な挨拶。ましてや、どちらも男性社会のものだ。しかし、その中で少なからずとも子供に対して行われていた「抱き合う」という自然な行為が、ごく稀な極端な喜びの表現、もしくは男女の愛情表現としてしか行われなくなったしまった日本。しかし、それが普通に親愛の情を示す習慣として残された西洋の国でも、核家族化や離婚、共働きなどによって子供達が親や祖父母とスキンシップを図る時間が確実に減ってきている。

 お父さん、お母さん、もっと子供達に「チュー」してあげませんか?



★何かで読んだんですが、赤ちゃんに触れてあげることで成長ホルモンがより多く放出されるそうです。米国生まれのタッチセラピー、要は赤ちゃんマッサージなんですが、精神的な安定や子供の発育を促進するのに効果があるそうです。もちろんマッサージに限らず、抱っこにキス、手を握るなどのスキンシップも全て含まれます。抱っこは、科学的にも子供の為に良さそうなので、どんどん抱っこしてあげてください。自分が落ち着いている時に愛情たっぷりにやってあげるのがコツだそうです。ただし、機嫌が悪い時に嫌々やっても効くかどうかは知りませんが。



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