Part 44

今月もチャド君からメールが届きました。

 今月は、ぼやいてええんかな? とりあえず、「吉本大好き!」。初のダブル・ダブル・ブッキングしてくれた会社やねんもん。同時に4つの仕事を。どないせーゆうねん! 僕ら専用のマネージャーがいないから、スケジュール表が二つあっても、そんなもんどちらも確認せへんで、仕事を入れてくれるええかげんな社員がおると、自然とそうなるねん。とりあえず、僕らを呼ぶのに一番お金使ってくれてそうなところへ行って、終わってすぐ原チャリ乗って次のとこへ、そうやって次から次へと。行く先でもちろん怒られる。「わしら高いお金払ってんのに遅れて来て、すぐ帰るし、どうゆう事やねん?!」と。悪いなぁと思ってる半面、「!」としか言い様のない気持ちなんですわ。だって、10万円か20万円か、なんぼ払ってるか知らんけど、僕らは恐らく900円しかもらえへんねんもん。先月の給料明細書に書いてあった3月の営業ギャラもそうやったし。ふんだりけったり、おまけに半年後の給料。それが優しさって事かな? まぁ、900円もあれば、いい方。でも、現場から現場の移動はタクシーどころか、電車すら乗られへん。関係ないけど、何で姫路に住む人全員ジャージしか着ないんやろ? ちょっと嬉しいのは、忙しいせいか、手が時折激しく震え出すねん。ちょっとした暇つぶしにはもってこい! しかし、なんやかんや言うても好きな仕事で忙しくなるのは嬉しいこっちゃ。そして、いい仲間もできる。その代わり、自分がなんでかいつもピリピリしてまうな。ちょっとしたことで怒って、変にめっちゃテキパキ片付けしたり。でも、最後に自分の震えてる手のリズムに乗って、やっと落ち着く。そんじゃ、また来月!



現在、師匠ぼんちおさむ氏のもとで漫才の修行に励む、若手芸人チャド・マーレン。パースエクスプレスが輩出したオーストラリア・パースの期待の星。

ジパング上陸作戦の加藤とチャド。

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