Part 42

もう、日本の新聞でご存知の方もいるかと思いますが・・・。　今月は、チャド君からショッキングなニュースが届きました。

　いやぁ、外国人狩りの楽しい季節になって参りましたねぇ〜。先月のある暑い日。会社の人に「パスポート持ってるか？」って聞かれて、『ええかげん俺が外国人や（やった？）ってことを信じてくれ』と思いながら「ハイ。もし欲しかったら好きな国籍をインドに行って、$10で手に入りますよ！」と教えて上げると「ほんじゃ3日後にアメリカ行ってきてくれはんかな？」と。初渡米決定！3泊5日。大阪ローカルの「すぽーつアミーゴ」っていう、間寛平師匠、FUJIWARAさん、そしてランディーズさんがレギュラーの関西テレビのスポーツ・バラエティー番組の海外ロケ。ギャラは僕の再入国許可税（\6000）より安いって言われたけど、そんなもん、海外やど！
　「ええんかな？」って言われても、そらしゃあないなぁ〜。
　急いでいろいろ手続きやって、アメリカで取材のネタである元南海・西武・阪神選手の佐々木誠さん（めっちゃええ人やってん）は誰なのかを調べて…。飛行機に乗る前日の朝早く師匠の家へ行って洗濯をし、昼からの仕事へ向かう8月24日の午前10時11分の事じゃった。せなあかん連絡を思い出し、原付を止めて歩道橋の端の方に置いて、座りながら電話をしてた。気配を感じて、ぱっと上を見ると知らない人の拳があかんとこにあるねん。顔の真前かと思いきゃ、いや鼻とくっ付いている！！　わき腹にも接触！！　倒れた。顔面から血がボトボトと。拳の兄ちゃんが自分の（犯人の）原付に乗って、そのまま走り去った。50m先に知らずと歩いてるサラリーマンにナンバーを控えてもらうように叫ぶと、そのサラリーマンは走ってくれたけど、追いつけず、すぐ戻ってくる。「119番電話してくる！」って言われ、サラリーマンがどっかの店に入っていく。『持っとけや、携帯ぐらい。優しかったけど。』
　せやけど、一体どうなってんの？　微妙に訳分かってへん自分に気づき、冷静になろうとしましてん。『今は真昼の谷町筋（パースでいうとAlexander Driveみたいな大きい道路）におる。天王寺警察署が見えてる。なのに通り魔にどつかれてんねん。右の目が見えへん。相手が右利きなのに。左から来た一撃やのに…。おっかしーなーと思って顔を触ってみると、鼻が３センチ程ずれとる。初の大きい仕事、アメリカに行く前日に何してくれとんねん！『誰だか知らんけど、やめーや、そんなん。べン・アフレック（映画パール・ハーバーの主人公−そんなええもんちゃうけど）に似てるからと言って、わしの顔をパール・ハーバー風にせんでええやん。』鼻が折られ、脇に一週間も残った指一本一本のこぶしのも。
　確かに殴ってくれといわんばかりの高い鼻やったけども。救急車に乗せられ、赤十字病院へ運んでもろても、保険証ないしやな。鼻の方は割り箸を突っ込まれて、何とか元の形に戻してもろて、固まるまで3週間はかかると言われた。でもエレファントマンみたいな包帯でけへんし。結局、何も固定してもらえず、鼻がふにゃふにゃのまま、アリゾナへ行ってきましてん。寝てる間に曲がってもて、朝起きるとゴリゴリいわして仕事してきました。でもアリゾナは数10年ぶりの暑さ。温度計がふりきっとる。50なんぼやねん。それにずっと5日間ショック状態で英語すら通じへん。最悪やん。あと、内出血が広がっていくにつれ、僕の脹れ上がっていく目やほっぺたのまわりが日々赤く、青く、紫色に変色していく。写したらあかん顔だけでなく、入国さしたらあかん顔やねん。成田に戻ってくると麻薬を嗅ぎ付ける犬につけられたんはいいけど、何も臭いがせへんから無関心でいるワンちゃんたちは 　「何も持ってないはずない」　って言われ、お尻蹴られてた。
　戻って次の日にドラマの撮影！特殊メークでなんとかごまかす。鼻を触ったら歪んでまうから顔は鼻をはずして洗う。臭覚もないし。犯人見つかりそうにないし。相方に突っ込んでもらう時、トラウマのせいか、ビクッと引いてしまいネタが飛ぶし。でも、それが今になるとほぼ全冶。もともとちょっと左曲がりだった鼻がマッスグ！大阪のスポーツ新聞全紙に事件のことと、僕らの宣伝載せてもらった。ラジオにも出してもらった。ネタが増えた。今までになかった忙しさです。「m-1」と言う、賞金\1000万（！！）の、島田紳助が最高審査員の全国漫才コンクールの第一次予選無事合格（まぁ、5000組から1000組に絞っただけやけど。５次予選まで残ったら自慢できるけど、それはまだ先のことや）。
　なんせ感謝！やっぱ日本はええわ。皆、黄色いけど…。まあ、そんなことで、皆さんも元気で。ひどい目に合わんように。