日本語医療センター

パースエクスプレス Vol.203 2014年12月号 掲載


当地オーストラリアにて、一般読者からの医療についての質問に専門家がお答えするこのコーナー。第32回目は、「不妊」についてです。


「不妊について」
Ω郎さん(41)自営業

パースの水は硬水と聞くので、それが日本人に合わないのでしょうか。

 「なかなか妊娠しないので不妊症ではないでしょうか?」と心配していらっしゃる女性がよく来られます。世界各国、ドクターによっても幅がありますが、一般的には避妊せずに定期的な性交渉をもっているにも関わらず1年以上経過しても妊娠しないとなれば、不妊症を疑って検査が始められます。ただし35才以上の女性、あるいは月経異常や子宮筋腫、子宮内膜症などがある女性、過去にクラミジアや淋病などの性感染症、または骨盤腹膜炎にかかったことのある女性の場合などは、6ケ月トライして妊娠しないようであれば、早めにドクターに相談されることをお薦めします。

 オーストラリアでは、初めの検査はGP(一般医)でもできます。いきなり不妊の専門医へかかる必要はありません。女性の場合では、まず血液検査で様々なホルモンの状態を調べます。また超音波検査(エコー)で子宮や卵巣など骨盤内に異常がないかどうかも調べます。男性の場合では、精液検査で精子の量、濃度や形態、運動率などを調べます。男性でもいくつかのホルモンの状態を、血液検査で調べることもあります。これらの基本検査で異常が特にみられなければ、性交渉をもつタイミングについて指導を受け、もうしばらく様子をみることもあります。しかし、異常がある場合、あるいは40才以上であれば、異常がなくても不妊の専門医へ紹介をしてもらうことになります。

 男性の中には検査に抵抗のある方もいるようですが、不妊は女性だけの問題ではありません。男性に問題があることもあり、五分五分です。パートナーとして一緒に検査・治療を受けていくサポートの姿勢が、お互いの精神面での安定につながり、妊娠の可能性を高めますので、協力し合うことが大切です。

回答者:日本語医療センター
マネージャー 千綿 真美さん

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