日本語医療センター

パースエクスプレス Vol.193 2014年2月号 掲載


当地オーストラリアにて、一般読者からの医療についての質問に専門家がお答えするこのコーナー。第22回目は、引き続き「子どもの予防接種」についてです。


子どもの予防接種について(2)
B香さん(32)主婦

2歳になります。先日、デイケア(保育園)の申し込み手続きで、“Immunization record”というものを準備するよう言われて…。

 オーストラリアでは、保育園や学校などの入園あるいは入学、そのほか子どもの集まるプログラム参加にあたって、予防接種記録の提出が必要になります。また入園や入学にあたり、オーストラリアで定められている予防接種が未接種である場合、「接種をして下さい」と言われることがあります。

 日本からあらかじめ、英語で記入してもらった記録をお持ちでない場合、GP(一般医)を受診して母子手帳を元に記録を作成してもらうことが可能です(ただし、ドクターに分かるよう英語による表記が必要)。また、未接種のワクチンをチェックし、スケジュールを組んで接種することもできます。私ども日本語医療センターでは、母子手帳をお預かりしてスケジュールの作成を行っており、また予防接種記録の発行も承っております。

 オーストラリアでは、地域のHealth CentreやGPで子どもの予防接種が受けられます。ただし、メディケア(オーストラリアの国民保険)を持たない移住者の場合、Health Centreなどでの受け入れはあまりされておらず、GPを受診しての実施となり、また予防接種は全て有料となります。接種をした場合、日本の母子手帳にも記録してもらえますので、接種当日に必ず持参して記録してもらいましょう。

 BCGや日本脳炎などオーストラリアで予防接種が実施されていないものに関しては、日本への一時帰国の際などにスケジュールを組んで接種を受ける必要があります。

 前回もお話しましたが、オーストラリアでは2本、3本の予防接種を同時接種するのが一般的です。複数の種類のワクチンの同時接種は、以前から世界中で行われており、特に問題はないとされています。予防接種の目的は、免疫力の弱い子どもを重篤になり得る病気から守ることです。ほとんどが数回接種しないと効果が出ないものなので、それぞれを単独で接種していると時間がかかり過ぎ、その間に感染してしまう可能性が高くなります。よって、同時接種で効率的に、早く効果が出るようにスケジュールが設定されています。ただし、もし1本ずつ分けて接種させたいという希望があれば、可能ですのでドクターに相談しましょう。

回答者:日本語医療センター
マネージャー 千綿 真美さん

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