パースエクスプレス Vol.192 2014年1月号 掲載
当地オーストラリアにて、一般読者からの医療についての質問に専門家がお答えするこのコーナー。第21回目は、「子どもの予防接種」についてです。
子どもの予防接種は、日本では定期接種と任意接種のように分かれていますが、オーストラリアでは毎年の季節性インフルエンザを除いて定期接種とするものしかありません。
以下が西オーストラリア州での定められているスケジュールです(2013年7月1日改正)。
出生時 | B型肝炎 |
生後2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月 | 1)肺炎球菌 2)ロタウイルス 3) 6種混合(ジフテリア、破傷風、百日咳、B型肝炎、ヒブ(※)、ポリオ) |
生後12ヶ月 | 1)3種混合(麻疹、風疹、おたふくかぜ) 2)2種混合(髄膜炎菌、ヒブ) |
生後18ヶ月 | 4種混合(麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘) |
4歳 | 4種混合(ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ) |
8歳~10歳 | HPV(ヒトパピロマウイルス)3回接種(学校から実施の知らせがきます) |
以上の定期接種に加え、生後6ヶ月から5歳までの子どもには毎年、季節性インフルエンザの接種が勧められています。BCGと日本脳炎の接種は、オーストラリアにはありません。
2013年7月1日より、生後12ヶ月と4歳で接種されていた3種混合(麻疹、風疹、おたふくかぜ)が、生後12ヶ月と生後18ヶ月で行われるように変更となりました(生後18ヶ月時に2回目を接種していない子どもは、以前のとおり4歳での接種でかまいません)。
オーストラリでは2本、3本の予防接種を同時接種するのが一般的で、特に問題はないとされています。日本の定期予防接種スケジュールに比べると注射の種類が多いように思われますが、日本でも最近では任意予防接種だったものが積極的に勧められるようになってきていますので、それらを含めるとそれほど変わりはありません。
日本では昔から、予防接種の当日は激しい運動や入浴は控えるようにと言われますが、こちらではそのようなことは特にありません。ただし予防接種の副作用で、接種部位の痛みで子どもがぐずぐずしたり、熱が出たりすることはよくあります。その時には、ゆっくり過ごさせるようにした方がいいでしょう。
次回もまた、子どもの予防接種に関してよくあるご質問にお答えします。
回答者:日本語医療センター
マネージャー 千綿 真美さん