日本語医療センター

パースエクスプレス Vol.185 2013年6月号 掲載


当地オーストラリアにて、一般読者からの医療についての質問に専門家がお答えするこのコーナー。第14回目は、「皮膚のトラブル」についてです。


皮膚のトラブルについて
N郎さん(24)ワーキングホリデー

肌がかさかさして粉を吹いたり、かゆかったりします。

 オーストラリアに来てからドライスキン、アトピー性皮膚炎、接触性(アレルギー性)皮膚炎など、様々な皮膚のトラブルを起こす患者さんが非常に多くみられます。これは、“皮膚の乾燥”が原因、または誘発・悪化させる要因となっている場合がほとんどです。寒くなってきたこの時期、長時間の熱いシャワーやお風呂、または暖房の使用により皮膚の乾燥はさらに加速し、皮膚炎を起こす患者さんが増えてきます。

 皮膚の乾燥は、皮脂(皮膚を刺激から守る自然な皮膚の油分)が奪われることで進行し、かゆみや皮膚の落屑(皮がぽろぽろ剥けてくる状態)を引き起こします。さらに悪化すると、炎症が起きて湿疹が出現し、様々な皮膚炎を起こすことになります。

【皮膚を守るために避けること】
●石けんや洗浄剤の使用(低刺激性でも、泡立つものは皮脂を落してしまう) ●頻繁な入浴やシャワー ●アルコール成分を含む化粧水 ●衣服の厚着(汗をかくことは皮膚によくない) ●ウール(毛)やキメの粗い繊維、化学繊維で作られた衣類 ●香水などの皮膚につける薬品 ●プールの塩素 ●砂 ●皮膚をこすること(入浴時のナイロンタオルでの摩擦はよくない) ●精神的ストレス

【皮膚を守るために実行すること】
●入浴、シャワーは1日1回。ぬるめのお湯で3分以内に済ませる ●入浴にバスオイルを使用 ●石けんの代用に洗浄剤を含まないものを使用 ●毎日1~2回の保湿剤の塗布 ●香料、防腐剤を使用していない日焼け止めを使用 ●厚着をせず、汗をかかないようにする ●皮膚に直接触れるものは木綿(コットン)100%が望ましい ●洗い物仕事をする時は、手袋を使用。手袋は内側の生地が木綿のものか、木綿手袋とゴム手袋を二重にして使用し、内側の木綿手袋が湿ったら取り替える

 湿疹が出現し、かゆみが止まらない状態であれば、早めに診察を受けましょう。治療としては多くの場合、ステロイド剤の外用薬が短期間処方されます。日本人の患者さんからは、ステロイド剤について塗ると皮膚の色が変わるなどの副作用を心配し、使いたくないというコメントをよく耳にします。しかし、局部で短期間のステロイド治療の場合は安全です。またステロイドの塗布は、短期間で効果的に抑えられるようにしっかり塗布しましょう。ほんの少量ずつの塗布では、効果が現れずに結局長期間使い続けることになります。そして、一旦炎症が落ち着いたら、ドクターの指示を受け、上記に述べたようなケアすることで、再発を防ぐことが大切です。

回答者:日本語医療センター
マネージャー 千綿 真美さん

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